知育玩具のように、子供の五感を刺激するフィンガーペイントが人気です。
「フィンガーペイントってなに?」
「フィンガーペインティングは家でもできるの?」
このように思っている人もいるのではないでしょうか。
フィンガーペイントとは、手や指に絵の具をつけて紙に色を塗っていく表現技法の一つです。
絵を完成させることにとらわれず、体を使って画用紙などの画面に色を付けて楽しみます。
この記事では
- フィンガーペイントとはなにか
- フィンガーペイントで遊ぶメリット
- 自宅でフィンガーペイントを行うやり方
について、元保育士の目線からご紹介します。
記事の後半では、汚れずにできるフィンガーペイントのやり方についても解説しています。
フィンガーペイントは子どもにとって解放的になれる遊びの1つで、ストレス発散にも効果的です。
おもちゃのサブスクと同様に、子供の知的好奇心を刺激してくれます。
この記事を読んで「やってみようかな?!」と、お父さん・お母さんもワクワクした気持ちになってください!
フィンガーペイントとは
フィンガーペイントとはその名のとおり、指や手にえのぐをつけて遊ぶこと。
えのぐの付いた手で画用紙などの画面に色を付けて楽しみます。
上手に描いたり「〇〇を描こう」と目的を持って描いたりするのとは異なり
- えのぐの感触を楽しむ
- ぬり広げることを楽しむ
- 自由な表現を楽しむ
など、でき上がる作品ではなく、ぬり広げる行為そのものを楽しみます。
では、フィンガーペイントにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
次の項目で詳しくみていきましょう!
フィンガーペイントのメリット
フィンガーペイントで遊ぶメリットには、以下の5つがあります。
- 気持ちが解放的になり、ストレス発散にもなる
- 五感が刺激される
- 想像力・創造力の発達をうながす
- 自己肯定感が上がる
- 小さいうちから楽しめる
フィンガーペイントは歩行の完了した1歳くらいの小さな子どもから就学前の幼児まで、幅広い年齢の子どもが楽しめます。
子どもがイキイキと遊んで脳を刺激できる、とても楽しい遊びなんですよ。
フィンガーペイントのメリットを知って、ぜひ親子で遊んでみてください!
では、それぞれのメリットについて1つずつ見ていきましょう。
気持ちが解放的になり、ストレス発散にもなる
フィンガーペイントは元々、子どもの心の傷をいやすための「アートセラピー」として始まりました。
道具を使わずに自分の指で自由に表現できることから、子どもの心が解き放たれることが期待できます。
普段は手や服を汚してしまったら、すぐに着替えなければいけません。
しかしフィンガーペイントでは汚しても叱られず、思いっきり汚して楽しめるため子どもたちの気持ちも解放的になり、ストレス発散にもつながるでしょう。
五感が刺激される
えのぐを手につけた瞬間、子どもたちはどのようなことを感じるでしょうか。
- つめたい!
- ぬるぬる!
- ちょっとくさい!
これらの感覚は、子どもたちの五感をたっぷりと刺激し、感性を豊かにしてくれます。
えのぐが混ざりあう様子を手の感触や視覚を通して味わえ、手を動かすことで色が変化する様子をじっくりと感じられます。
自分の働きかけによって物質が変化する体験は、フィンガーペイントならではの楽しみでしょう。
また指先をたくさん使うため、脳の発達にもよい効果が期待できます。
想像力・創造力の発達をうながす
フィンガーペイントは筆などの道具を必要としません。
自分の身体を使って、自由に、柔軟に、自己表現ができます。
そのため
- まだ年齢が小さくて筆を持てない子
- 筆圧が弱くて思ったように表現できず、お絵描きに自信のない子
このような子どもでも、安心して表現活動ができます。
- 子どもたち自身が想像力を働かせ、指を使って表現する
- 「どんな色にしようかな?」と創造力を働かせる
自由な発想を大切にしながら遊べて、考える力も伸ばせるのがフィンガーペイントです。
自己肯定感が上がる
フィンガーペイントは自分の手や指を使って描くため、自分の感じるままに表現できます。
- 思いのままに自己表現ができることで、満足感・達成感を味わえる
- 自分が表現したものをお父さん・お母さんに褒めてもらえることで自信がつく
このような理由から、自己肯定感の育成にも役立ちますよ。
小さいうちから楽しめる
フィンガーペイント用のえのぐには、対象年齢は3歳〜と書いてあるものもあります。
しかし、お父さんやお母さんが見守れる環境下であれば1歳や2歳の子もフィンガーペイントで遊べますよ。
- 口に入れないように見守る
- えのぐの付いた手で目をこすらないようにする
これらの点には十分に注意して、フィンガーペイントをしている最中には子どもから目を離さないようにしましょう。
フィンガーペイントで用意するもの
フィンガーペイントをする際に、必要なものをお伝えします。
- 白色の画用紙・模造紙・ごみ袋など
- えのぐ
- えのぐを出すパレット(直接手に出してもOK!紙皿でもOK!)
- 雑巾
- ビニールシート、新聞紙、チラシなど汚れを防ぐもの(室内で行う場合)
可能であれば、フィンガーペイント用の絵の具がおすすめです!
フィンガーペイントのやり方
実際に自宅でフィンガーペイントを行うときには、以下の手順で行います。
- ビニールシートや新聞紙などで床や壁をおおい、えのぐがつかないようにする
- 手や紙皿などにえのぐを出して、まずは大人が実際に画用紙につけてみる
- 慣れてきたら子どもも一緒に2〜3色の色を混ぜ合わせたり、大胆にぬり広げたりする
この手順は
- フィンガーペイントをはじめて行う場合
- 子どもが興味を示さない場合
- 子どもが不安に思っている場合
を想定しています。
年齢によっても楽しみ方は変化します。
1〜2歳児の場合
1〜2歳児の場合は、以下のような遊び方をしてみてください。
- えのぐを触って感触を楽しむ
- 手型や足型をとって楽しむ
- えのぐの色や感触を見たり触ったりして感じる
- 大人が「◯」や「ギザギザ」を描きながら「マルだね」「ギザギザだよ」などの声かけをする
「気持ちいいね」「赤色だよ」などの声かけを行うことで、言葉の発達もうながせますよ。
えのぐの感触が苦手な子もいると思います。
あまり遊びたがらない場合には無理強いせず、大人が遊んで見せたり、一緒に遊んでみたりしてください。
3歳児〜の場合
3歳以降になると、1〜2歳での楽しみ方にプラスして、遊びが広がります。
- 色の混ざり方や変化を楽しむ
- 目的をもって描いてみる(たとえば花など)
フィンガーペイントの注意点
フィンガーペイントをする際には、以下のことに注意しましょう。
- 汚れてもいい服装で行う
- 「きたない」と言わない
- 嫌がったら無理強いしない
- 手で目をこすらないよう注意
- 子どもから目を離さない
- 色の好みや仕上がりを批判しない
- 使用するえのぐの色は2〜3色がおすすめ!
フィンガーペイントはえのぐの感触や色をぬり広げること自体を楽しむ遊び。
思いきり気持ちを解放して遊ぶためには、汚れてもいい服装で遊ぶこと、できあがったものに対して否定的な言葉がけをしないことが大切です。
また使用する色の数は2〜3色までにしましょう。
理由は色の数が多いと、混ざったときに黒や茶色くなってしまうからです。
具体的には「赤と青」「青と黄色」「黄色と赤」など、混ざると違う色になる原色がおすすめ!
フィンガーペイントでよくある質問
フィンガーペイントでよくある質問をあつめました。
- ダイソーやセリアで揃う?
- 汚れない方法は?
- 赤ちゃんでもできる?
- 専用の絵の具を用意した方がいい?
- 普通の絵の具でも問題ない?
それぞれの質問に答えていきましょう!
ダイソーやセリアで揃う?
ダイソーでフィンガーペイント用のえのぐが販売されています。
セリアには通常のえのぐはありますが、フィンガーペイント用のえのぐはありません。
ダイソーで販売されているのは、赤・青・黄緑・ピンク・オレンジの5色入り(100円)です。
フタがスタンプにもなるため、指で触るのに抵抗のある子も楽しめるかもしれません。
- 100円でそろう
- 各色、少量ずつ入っている
- フタでスタンプ遊びが楽しめる
このような理由から、ためしにフィンガーペイントをやってみたいと思っている人におすすめです。
何度も経験していたり、大胆に遊んだりする子の場合はえのぐの量が足りないかもしれません。
専用えのぐを用意してあげるのがよいでしょう。
汚れない方法は?
フィンガーペイントはジップロックなどのチャック付きの袋で遊ぶこともできます。
- 袋に入る大きさに紙を切る
- 紙にえのぐをチョンチョンと乗せて、そのまま袋に入れる
- チャックをしっかりと閉める
- 袋のうえからグニュグニュと指でえのぐを触ってみる
- 袋から紙を取りだして乾かす
赤ちゃんでもできる?
少なくとも1歳以上、できたら歩けるようになってからがよいでしょう。
理由は、1歳未満の赤ちゃんは手を口に持っていくことが多く、誤飲の可能性があるからです。
とはいえ、1歳以上の子も手を口に持っていく可能性は十分にあるので、フィンガーペイントを行う際には子どもから目を離さないようにしましょう。
遊び終わったらすぐに手を洗うことも大切です。
フィンガーペイント用のえのぐであれば色も落としやすくなっているので、赤ちゃんにも使いやすいですね。
専用の絵の具を用意した方がいい?
えのぐは専用のものがおすすめです。
理由は以下のとおり。
- 伸びがいい
- 落としやすい
- 万が一口に入れても安心な素材で作られている
いろいろなメーカーから出されていますが、迷ったら「ぺんてる ゆびえのぐ」を用意してみてください。
1つ1,000円くらいで売っています。
マヨネーズのようにえのぐを出せるので、直接手に出してあげる際にもやりやすいですよ。
普通の絵の具でも問題ない?
「わざわざ専用えのぐを用意するのはちょっと……」と思っている人も多いでしょう。
結論、普段よく目にする水性えのぐでもフィンガーペイントはできます。
ただしそのまま使うとえのぐが伸びにくく、フィンガーペイントの楽しさが半減してしまいます。
そのため洗濯のりと水を合わせたものにえのぐで色をつけて使うとよいですよ。
洗濯のり:水=1:6の割合で混ぜあわせ、そこへ水性えのぐを入れたら完成です!
色が見やすいように、画用紙や模造紙などは白色がおすすめ。
また、室内で行う際には汚れ対策はしっかりと行いましょう。
専用えのぐであれば床などに付いても比較的落としやすいですが、汚れが気になる環境では心から楽しめないからです。
まとめ:親子でフィンガーペイントを楽しもう!
今回はフィンガーペイントについて解説してきました。
フィンガーペイントで遊ぶメリットは以下のとおり。
- 気持ちが解放的になり、ストレス発散にもなる
- 五感が刺激される
- 想像力・創造力の発達をうながす
- 自己肯定感が上がる
- 小さいうちから楽しめる
初めはえのぐの感触が苦手で遊びたがらない子もいるかもしれません。
お父さんやお母さんが一緒に遊んで楽しんでいる姿を見せてあげると、そのうち「やってみようかな?」と思ってくれることでしょう。
室内で遊ぶのに抵抗がある人は、お風呂場で遊んだりワークショップに行くのもおすすめです!
視覚や触覚などの五感に働きかけて遊べるフィンガーペイント。
子どもの心を解放し、のびのびと表現することで想像力・創造力の発達もうながされます。
小さい子の場合は誤って目や口に入れないよう注意しながら、ぜひ親子で一緒に楽しんでみてください!