この記事では、元教師が大学受験に強い通信教育について解説していきます。
大学受験の対策というと、塾や予備校に通うことを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、インターネットが普及した現在では「通信教育」も検討すべき選択肢になっています。
通信教育で大学受験対策をしたい方は、ぜひ最後まで読んでください。
大学受験は通信教育だけで合格できる?
実際のところ、通信教育だけで大学に合格できるのでしょうか。
結論をいえば、自走力があれば通信教育だけで大学受験合格は可能です。
自走力とは「自分で考え、自分で意思決定をし、自分で行動する力」のことをいいます。
主体的に努力して合格しようとする、受験生自身の姿勢が大切なのです。
通信教育のメリットをうまく使い、自走力を発揮して努力を継続すれば合格することは可能です。
【2024年最新】大学受験に強い通信教育おすすめ8選
大学受験に強いおすすめ通信教育は以下の通りです。
サービス名 | 詳細 | 料金 | 学習方法 | 教科数 | 無料体験 | 運営会社 |
---|---|---|---|---|---|---|
進研ゼミ | 10,200円~ / 月 | 映像授業 添削 | 5教科 16科目 | ○ | 株式会社ベネッセコーポレーション | |
Z会 | 5,295円 / 月 | 添削 | 6教科 16科目 | ○ | 株式会社Z会 | |
スタディサプリ | 10,780円 / 月 | 映像授業 | 5教科 | ○ | 株式会社リクルート | |
東進ハイスクール | 83,000円 / 年 | 映像授業 | 6教科 | ○ | 株式会社ナガセ | |
学研プライムゼミ | 9,350円~ / 5回 | 映像授業 | 6教科 12科目 | ○ | 株式会社学研ホールディング | |
スマイルゼミ | 21,340円 / 月 | AIによる個別コーチング | 6教科 31科目 | ○ | 株式会社ジャストシステム | |
メガスタ高校生 | 43,648円~ / 月 | オンライン 個別指導 | 制限なし | ○ | 株式会社バンザン | |
トライのオンライン個別指導塾 | 21,120円~ / 月 | オンライン 個別指導 | 制限なし | ○ | 株式会社トライグループ |
それぞれ解説します!
進研ゼミ高校講座
- 大手教育企業ベネッセが展開
- 圧倒的な情報量
- 万人に対応するサービス
巨大教育企業である、株式会社ベネッセコーポレーションが展開する進研ゼミ高校講座。
高校生には進研模試でおなじみの会社です。
進研ゼミのおすすめポイントは、圧倒的な情報量です。
蓄積された受験に関するあらゆる情報を用いて、万人に対応するサービスを提供しています。
小論文の指導も準備されていて、推薦型・総合型入試も視野に入れている人にとって嬉しい点です。
進研ゼミを使いこなすことができれば、どんな人でも自分に必要な学習をすることができます。
一方で、自分が何をどう勉強すべきなのかがよくわかっていない人は、選択肢が多すぎて返ってうまく学習することができないかもしれません。
進研ゼミに向いているのは、進研ゼミのサービスの中から自分に必要な学習を選べる主体性のある人だといえるでしょう。
Z会
- 難関大学に特化
- 添削指導がメイン
- 個別最適のAI演習あり
進研ゼミが万人向けのサービスなら、Z会は難関大学に特化しているサービスです。
難関大学において、マーク式の共通テストと記述式の個別試験の比率は、個別試験の方が高い傾向にあります。
合格を勝ち取るには暗記や読解だけでなく、記述力が重要です。
記述力の向上は受験生だけでは難しいので、添削指導をしてもらう必要があります。
Z会は難関大学受験者に向け、添削指導をメインに展開しています。
志望校のレベルに応じた良問をプロの指導者が3日で添削して返却し、「個別最適のAI演習」で弱点を補強するという隙のない指導体制です。
Z会に向いているのは、基礎力は既に付いていて、難関大学の個別試験に焦点を絞って記述対策を考えている人だといえます。
スタディサプリ
- 1回あたりの講義が15分と短い
- 現役難関大コーチが付く
- 質問への回答は科目サポーターが行う
リクルート社が展開する「スタディサプリ」。
1つ目の特徴は、講義内容が「約15分の神授業」と短い点です。
例えば東進ハイスクールは1コマ90分なのに対し、スタディサプリは15分という短時間に設定されています。
「わかりやすい講義を受けたいけれど、長い授業は自分で進めていく自信がない」という人には合っています。
2つ目の特徴は、大学生や大学院生がコーチとして付くということです。
株式会社プラスティー教育研究所が監修したコーチングメソッドや学習アドバイスを学んだ「現役難関大コーチ」が、受講生とメッセージのやりとりをするというサービスです。
また科目の質問に対しては、文書で回答する科目サポーターがいます。
ただし、質問に対応しているのは英語・数学・物理・化学の4科目だけで、1カ月10回までという回数制限があります。
スタディサプリに向いているのは、長い時間の講義よりも短時間の講義を集中して受けたい人、年が近い人の方が心を開きやすい人だといえます。
東進ハイスクール
- 圧倒的合格実績を支える講師陣
- Webで講義を見る形式がメイン
- 1コマ90分、1万種類の授業が準備されている
現代文の林先生・英語の安河内先生など、テレビでもよく見かける実力講師陣を多数抱える東進。
それらの「圧倒的合格実績を支える実力講師陣」が展開する講義をWeb視聴するというシステムが基本です。
「東大の現役合格生の2.7人に1人が東進生」というように、東大へのこだわりが強く、難関大学合格を目指す色合いが濃いのが特徴です。
とはいえ習熟度に分けられた1万種類の授業が用意されており、さまざまなレベルの大学を目指すことができます。
難関大学に視線が向いているのはZ会と同じですが「個別添削を重視するか」「講義視聴を重視するか」の違いがあります。
東進ハイスクールでは、個別添削はありません。
ただし、Zoomで学習進捗状況や受験の情報提供などメンター的役割をしてくれる人はいます。
それだけ講義に自信を持っているということができるでしょう。
1コマ90分で、1年分の講義を最短2〜3週間で修了することができます。
自分のペースで学習するということは、自己管理ができない人は最後まで講義を見終わるのは難しいかもしれません。
東進ハイスクールに向いているのは、講義を視聴することを希望し、自分のペースで学習を進めていく自己管理能力がある人だといえます。
オンラインでの学習を希望する方は、東進オンライン学校がおすすめです。
学研プライムゼミ
- 講義に重点をおいている
- 自分が学びたいことを「ユニット」単位で選択する
- 45分5回の講義を1ユニットして考える
学研プライムゼミの特徴は、志望大学や学習段階によって選択したり組み合わせたりする「ユニット方式」です。
45分5回の講義を1つのまとまりとし、自分の弱点や補強したい単元や分野を選び、ユニット単位で受講します。
講義の長さは高校の授業と同水準の45分なので、1コマ90分の講義を1年間受け続ける自信がない人におすすめです。
学研プライムゼミに向いているのは、体系的に学び直すというよりは、学校の授業を軸に足りないところを補完したい人だといえます。
スマイルゼミ
- タブレットだけで完結する学習
- 「戦略AIコーチ」による学習分析
- 保護者が子供の学習状況を確認できるサービス「みまもるネット
スマイルゼミの特徴は、タブレットだけで完結するAIを使った学習をするという点です。
タブレットだけで完結するので、本や参考書が増えて大変ということはありません。
特許出願中の「戦略AIコーチ」が学習方法や内容などを分析。
学習が進まずに計画が変更になっても、AIが柔軟に予定を変更して対処します。
また、インターネットで完結するサービスらしく「みまもるネット」という、保護者が子供の学習状況を確認できるサービスがあるのも特徴です。
学校の授業の予習・復習、定期テスト対策などもあり、高校の授業の補完という位置付けで取り組むとよいでしょう。
スマイルゼミに向いているのは、高校の授業を軸に学習を進めていきたい人、タブレットをメインに活用したい人だといえます。
メガスタ高校生
- 1対1のオンラインによる指導
- 教師のランクによって価格が異なる
- オンライン授業参観などの独自サービス
次に紹介するのは、オンライン家庭教師のメガスタ高校生です。
自分だけではどうしてもサボってしまうので、AIやメッセージではなく1対1で人間に直接学習を見てもらいたいという人におすすめです。
メガスタには、4万人の講師がランクに分かれて所属しています。
- プロ教師:大手予備校の現役・元講師やオンライン指導の経験が豊富な家庭教師
- 大学院生・社会人教師:プロ教師に認定されていないけれど、高い学習指導力を持つ教師
- 学生教師:難関大学や有名大学に通っている現役の大学生
それぞれのランクにより、指導の価格が異なります。
メガスタは講師の授業をAIが分析・解析することで、授業の質を保証しています。
この他にも、
- オンライン授業参観
- 保護者・生徒による授業評価
- パソコンレンタル
など、他社にはないユニークなサービスも。
専門機関から表彰されたり、メディアで取り上げられたりしており、保護者の方が思い描く昔の家庭教師とはかなり様相が異なっています。
メガスタ高校生に向いているのは、とにかく1対1で人間に指導してもらいたいという人だといえます。
トライのオンライン個別指導塾
トライのオンライン個別指導塾は、家庭教師で有名な株式会社トライグループが運営するオンライン塾です。
従来の通信教育とは異なり、オンラインでマンツーマン授業が受けられます。
- 生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムで学習を進められる
- オンラインでの指導なので、自宅や好きな場所から受講できる
- 質の高い講師陣による個別指導を受けられる
- 学習の進捗を保護者と共有し、定期的なフィードバックがある
- 対面授業に比べて価格が安い
トライのオンライン個別指導塾は、プロ講師が生徒の学力や目標に合わせて個別に指導を行うため、一人ひとりのペースに合わせた効果的な学習が可能です。
またオンラインで受講できるため、自宅や好きな場所で時間を有効に使いながら学習を進められるのも嬉しいポイント。
定期的なフィードバックや進路相談を含むサポート体制も整っており、学習の進捗確認ができる点も安心です。
>?大学受験に強い通信教育の選び方
ここでは、大学受験に強い通信教育の選び方を解説します。
- 自分に合った方法で学習できる
- 個別試験対策をしてくれる
- データが豊富である
- 受験指導のノウハウがある
自分に合った方法で学習できる
高校の授業は、クラスの平均的な成績の生徒を想定した一斉授業をします。
生徒一人ひとりの個性・習熟度・得意な学習方法などは考慮に入れられていないので、授業が成績向上に繋がらない生徒も出てきます。
そんな人は、自分で自分に足りていない学習内容を補完する必要があります。
通信講座は、自分に合った学習方法で無理なく不足を補うことができます。
通信教育の「学習方法」というと、次のような方法が挙げられます。
- 添削指導
- 講義視聴(習熟度別 or 分野別 or 年間・期間限定)
- 個別指導(対面 or オンライン)
- 学校授業の補完学習
それぞれに合っている人の特徴は以下の通りです。
- 単純な暗記事項をきちんと暗記しているのに、いまいち点数に結びつかない
- 記述で日本語がおかしくなってしまう
- 難関大学を一般選抜型で受験する
- 推薦・総合型受験で小論文がある
- 1~2年生の内容をもう一度体系的に学び直したい
- 基本的な暗記事項が抜けている人
- 自分の弱点がわからない
- 集中して暗記することが苦手
- 電車内などの時間を有効活用したい
- 自分だけだと学習を進めることができない
- その場で質問をしたい
- 解答解説を読むことが苦手
- 講義を視聴しても頭に入ってこない
- 学校の授業や宿題・課題が多くて他の学習にまで手が回らない
- 部活動などの時間を優先したい
- 基礎学力がついている
- 自分自身で学習をどんどん進めることができる
個別試験対策をしてくれる
国公立大学を一般選抜型で受ける場合は、共通テスト対策だけでなく、個別試験対策も必要です。
また私立大学でも、個別の入試に向けた対策が必要です。
個別試験は学校独自の出題なので、それぞれの出題傾向や形式・難易度がバラバラで、その大学に特化した対策が必要になってきます。
データが豊富である
大学受験で何よりも心強いのは、データが豊富にあるということです。
- 非公開の試験問題
- 先輩が受験したときの受験会場や面接の様子
- 全国の高校生の模試の成績や志望状況
- 大学の合格ライン
規模が大きかったり昔からある会社だと、やはりデータが豊富に蓄積されている傾向にあります。
情報社会といわれるように、受験の世界も情報を制す者が合格を勝ち取る確率がアップします。
受験指導のノウハウがある
データと同じように、知識・経験・方策・実践など、受験には蓄積されたノウハウが必要です。
例えば次のようなことが挙げられます。
- この時期にはこんなことを学習しておく
- このレベルの大学ではこれくらいの内容
- この時期にこの点数をとっていたら、共通テストまでにあと何点くらい伸びる
- 共通テストと個別試験の対策はこうすればよい
- 併願を効率よくするにはこうする
まとめ:大学受験に通信教育は新たな選択肢
本屋さんで参考書を買ってきても、受験の忙しい日々の中で開かないまま埋もれてしまうかもしれません。
また予備校や塾などに入っても、自分の生活リズムや学習方法などに合わなくて続けられない場合もあります。
大学受験を不安に思うのは、どう学習を進めるのかという方向性がわからないからなのかもしれません。
自分に合った学習の方向性を早めに見つけるのが受験の必勝法です。
人によっては、通信教育が一番勉強しやすかったという場合もあります。
通信教育は以前よりもバリエーションや充実度を増してきています。
通信教育で自分に合う学習方法を選んでうまく利用すれば、対面でなくても実力を向上させることができます。
自走力があれば、大学合格をつかみ取ることも可能です。
また、通信教育は塾や予備校に比べて価格が安く、移動しない分学習に時間を費やすことができます。
参考書や塾・予備校といった従来の学習に加え、通信教育は現代の新たな選択肢と言えるでしょう。